お宮参りの衣装

お宮参りの服装は何を着ればいい?
・両親・祖父母・兄弟・赤ちゃんの衣装選びのポイント

お宮参りの服装のマナーと基本の選び方

お宮参りは、着物やワンピースなど、ご家庭によってさまざまな服装で行われていますが、守るべきマナーや決まりはあるのでしょうか。

まずは基本的なマナーと選び方を確認しておきましょう。

主役の赤ちゃんが引き立つシンプルなデザインにする

お宮参りは、赤ちゃんが無事誕生したことを神様に報告し、これからの健やかな成長を願う日本の伝統的な行事で、もともとは和装が正装です。しかし、近年は洋装の方も増えています。

和装洋装を問わず、基本としてお宮参りの主役である赤ちゃんが引き立つよう、控えめな服装を心がけることが大切です。

お祝い行事のため、ママ・パパもおしゃれをしたくなりますが、派手すぎる服装では主役の赤ちゃんよりも目立ってしまいます。赤ちゃん以外の参加者の服装は、ベージュや紺色などのシックな色や薄いピンクなどの淡い色が好ましいでしょう。デザインも同様、華美すぎないシンプルなものがおすすめです。

赤ちゃんの服装と雰囲気をあわせる

お宮参りの服装は、主役である赤ちゃんの衣装を基準にし、雰囲気を合わせるようにしましょう。例えば赤ちゃんとママは和装にも関わらず、パパだけカジュアルな服装だと、全体のバランスが悪くなります。

赤ちゃんが和装(祝い着)なら、ママやパパも和装またはフォーマルな服装を着用しましょう。赤ちゃんがベビードレスなどの洋装であれば、ママやパパもワンピースやスーツなどの洋装で統一すると家族全体のバランスが良くなります。

季節や体調に合わせて選ぶ

お宮参りのご祈祷は室内で行われることが多いですが、移動や写真撮影など屋外で過ごす時間もあります。お宮参りの服装選びは、季節や気温、天候なども考慮するようにしましょう。

汗をかきやすい暑い季節は、フォーマルながらも通気性が良い素材の服装がおすすめです。水色や白などの爽やかな色を選ぶことで、見た目にも涼しい印象になります。

寒い季節のお宮参りでは、防寒対策も必要です。外の移動ではコートなどのアウターを羽織り、暖かくするとよいでしょう。

コートは防寒のほかに汚れよけの意味もあり、室内で着用するのはマナー違反です。御祈祷で室内に入る際には、神様にも失礼にあたりますので、建物に入る前にコートを脱ぐなどするとよいでしょう。とはいえ、体調にはしっかり配慮したいものです。冷えなどが心配な場合には、カイロなどを使って暖かくしていくのも一案です。

お宮参りは出産から1ヵ月と、産後間もない時期に行います。ママの体の負担にならないよう、体をしめつけるような服装は避けた方が良いでしょう。
 

ママの服装
赤ちゃんの祝い着との組み合わせが素敵な「着物」

お宮参りのママの着物は、かつては最正装の「黒留袖」が主流でしたが、最近では「色無地」「付け下げ」「訪問着」を着用される方が多いです。
着物というと、着付けや髪のセットなどで手間がかかるため、気軽に着るのは難しいと感じる方もいるかもしれません。しかし、赤ちゃんを神様へお披露目するという本来の意味を考えると、着物が一番ふさわしいといえるでしょう。
注意したいポイントとしては、着物は普段着よりも体力が必要なので、産後間もないお母様にとって負担になる可能性があります。また、着物を着ているときには授乳ができないので、ミルクや哺乳瓶に慣れてもらう必要があります。
ママが着物の場合は、ご自身だけでなく赤ちゃんの事前準備も必要ですが、赤ちゃんの「祝い着」とのコーディネートはとても素敵です。将来お宮参りの記念写真を観たときに後悔することはないはずです。
訪問着の選び方のポイントと注意点
お宮参りや七五三といったお祝い行事には、派手すぎない明るめの色の着物が人気です。 母親(ママ)の着物は赤ちゃんの衣装より目立たない色を選ぶのが基本ですが、地味になりすぎず、ほどよく華やかに装いましょう。 薄ピンク色やクリーム色、薄紫色、水色、薄黄色、若草色などの淡くてやさしい色がおすすめです
着物の色柄

お宮参りの主役は赤ちゃんになりますので、ママ(お母さん)が着る着物の色はできるだけ淡めの色がおすすめです。
人気があるのはふんわりした黄色や薄ピンクに小さい花が描かれた訪問着です。
これはマナー違反!避けておきたいママ(お母さん)の服装(和装編)

振袖

振袖は未婚の方の第一礼装にあたります。
そのため既婚者であるママの第一礼装として着用することはできません。
振袖をお持ちの場合は、一度仕立て直しをし、留袖にリメイクすることをおすすめいたします。
・街着や浴衣
街着や浴衣も「着物」の一種ではありますが、フォーマルな装いには適した着物ではありません。
街着を持っているから、夏場に暑いからと言って、お宮参りに街着や浴衣を着用することは避けましょう。

 

体に負担が少ないのにきちんと感がある「ワンピース」

着物よりも着なれた服装にしたいという方におすすめなのは、ワンピースです。

産後はママの体にも負担をかけたくないものです。締め付けが少ないワンピースなら、着心地とフォーマル感どちらも叶います。肌の露出度の少ない上品なワンピースをお持ちなら、お宮参り用に購入する必要はありません。

春夏は半袖やノースリーブのワンピースを着用する場合、薄手のカーディガンやストールを合わせるといいでしょう。秋冬はワンピースとジャケットを合わせると、よりフォーマルな装いになり防寒対策もできます。特に冬のお宮参りは、参拝中や待ち時間は冷えるのでコートも忘れずに。

また、ピアスやネックレス、コサージュなどのアクセサリーを付けたいと思う方もいるかもしれません。しかし、赤ちゃんの肌はデリケートです。抱っこのときにアクセサリーが赤ちゃんの顔や腕に当たり、怪我をする恐れがあります。アクセサリーは装着しないか、注意して選ぶようにしましょう。

フォーマル感があり選びやすいワンピースですが、授乳のしにくさがデメリット。
前開きや授乳対応のワンピースを選ぶのがおすすめですが、授乳が難しいデザインの場合は哺乳瓶で授乳できるよう準備しておきましょう。
 

外出先でも授乳が楽チン「フォーマルスーツ」

フォーマルスーツは清楚感を感じさせ、お宮参りに適した服装のひとつです。スーツであれば授乳が可能ですので、おっぱいが大好きな赤ちゃんにとっては最適なお宮参りの服装となります。

ただ、出産前に購入したスーツを着用するなら、試着を忘れずに。産後の体にはフィットしない場合もあるため、お宮参りの当日までに確認しておくと良いでしょう。

季節別コーディネート

10月~5月におすすめの着物

10月~5月は袷(あわせ)の着物を着ましょう。
気候のよい時期は着物だけでも過ごしやすいですが、寒い時期は大判のストールなどが役立つでしょう。また、着物の下に保温効果のあるインナーやレギンスなどを着ることで冷えを抑えることもできます。

6月~9月におすすめの着物

6月~9月の暑い時期は単衣(ひとえ)の着物や盛夏には絽(薄物)の素材を着ましょう。
絽(薄物)の着物は通気性も良く見た目にも涼しい着物です。
屋外は暑くても室内がクーラーなどで冷える場合も考えられますので、薄手のストールなどがあっても良いでしょう。
 

パパの服装
男性の定番「スーツ

お宮参りのパパの服装は、現代ではスーツが定番です。赤ちゃんやママが和装の場合も、最近はスーツにすることが多いようです。スーツの種類は、赤ちゃんの服装にあわせて選ぶのが一般的です。例えば、赤ちゃんが祝い着でフォーマルな雰囲気にしたい場合、濃紺・黒・チャコールグレーのダークスーツに、白系のネクタイをあわせた「フォーマルスーツ」にするとバランスが取れて良いでしょう。

一方、赤ちゃんが洋装の場合は、一般的な「スーツ」にすることもあります。記念撮影があることを考えると、ネクタイとジャケットは着用して行く方が良いでしょう。

 

祖父母の服装
【祖父】定番の「スーツ」

お宮参りの祖父の服装は、父親と同じくスーツが主流になっています。ダークカラーの略礼装やスーツを着用すると良いでしょう。また、かつてのお宮参りでは、赤ちゃん・両親以外は父方の祖父母のみ参加していましたが、近年は両家の祖父母が参加することも増えているようです。両家が揃う場合は、両家の服装のバランスも考慮しておくと、より安心です。お宮参り当日に「確認しておけばよかった!」とならないように、祖父母の服装についても事前に両家で相談しておくと良いでしょう。
 

【祖母】和装なら「着物」

お宮参りの祖母の服装は、和装・洋装どちらでも問題ありませんが、赤ちゃんと母親の服装を考慮して決めるのが一般的です。
例えば、赤ちゃんと母親が和装の場合、着物で合わせても素敵ですし、無理に合わせず洋装にされても問題ありません。一方、赤ちゃんと母親が洋装なのに、お祖母様だけ着物なのは少し不自然です。

着物にする場合、かつては「黒留袖」が主流でしたが、最近は「色無地」「付け下げ」「訪問着」が一般的です。初孫のお宮参りとなるとついはりきってしまうものですが、赤ちゃんと母親より目立たない着物にするのがマナーです。同格の上品で落ち着いた色の着物を着用すると、バランスがとれて良いでしょう。

【祖母】洋装なら「ワンピース」「スーツ」

母親と同じく、洋装ならワンピース・スーツにすることが多いです。

スーツは、スカートとパンツスーツどちらでも問題ありません。お宮参りでは、神社の境内を歩いたり赤ちゃんを抱っこしたりするので、なるべく動きやすい服装がおすすめです。こちらも着物と同様に、落ち着いた色のお洋服を選べば間違いないでしょう。また、アクセサリーを付けたい方もいるかもしれませんが、赤ちゃんの肌に当たって怪我をする恐れがあるものは付けない方が無難です。そこも考慮しながら服装選びをしてみてくださいね。
 


兄弟・姉妹の服装
【兄弟】着物・スーツ

赤ちゃんのお兄ちゃんの服装は、赤ちゃんや両親に合わせて和装・洋装を選ぶのが一般的です。
和装であれば着物、洋装であればスーツなどです。自前のお洋服の中から、落ち着いた色のシャツやジャケットを組み合わせて着用しても良いでしょう。
 

【姉妹】着物・ワンピース

赤ちゃんのお姉ちゃんの服装も、ご家族の服装にあわせて和装・服装を選びます。

和装であれば着物、洋装であればワンピースなどがおすすめです。自前のお洋服でも、上品で落ち着いた色のワンピースやブラウス、スカートがあれば、それらを着用しても良いでしょう。

 

お宮参りでの髪型やマナーとは?
おすすめのヘアスタイルやメイクを紹介

お宮参りをする際、髪型やメイクに悩まれているママさんも多いでしょう。
赤ちゃんにとって初めての行事にもなるので、ふさわしい身だしなみで参加したいですよね。
そこで今回は、お宮参りを行う際のママさんの髪型やメイクのマナーについて紹介します。

お宮参りをする際の髪型やメイクのマナー

お宮参りは赤ちゃんが主役になりますが、親であるママさんもしっかりとした身だしなみで参加したいです。

髪は派手さを抑えた髪色にするのがおすすめです。
近年はおしゃれな髪色で出席するケースも多いですが、明るすぎる色だと印象が良くありません。
着物を着る場合は落ち着いた色のほうが着物とよく合います。

ヘアスタイルはアップヘアにするのがおすすめです。
アップヘアにすると、首元がはっきり見えて明るい印象になります。

一方で、ダウンヘアにしてしまうと、赤ちゃんに髪がかかってしまうこともあるので避けるのが無難です。

髪飾りも基本的に控えましょう。
髪飾りを付けると、主役である赤ちゃんを目立たせられないため、好ましくありません。

メイクのポイントは?

メイクは派手な雰囲気ではなく、ナチュラルメイクが良いでしょう。
アイシャドウやチーク、リップの色選びも大切です。
なるべく自然な色のものを使うと、お宮参りにぴったりなナチュラルメイクに仕上がります。

髪型をきれいに仕上げるためのポイントは?

トップにボリュームを出す

髪の頭頂部にボリュームがないと仕上がりに物足りなさが出てしまいます。
トップに高さを出すと、上品な印象を与えられます。
ボリュームを出す際は、髪の根元にドライヤーを当てると良い感じに仕上がります。

顔周りをすっきりさせる

髪が顔にかからないようにすると、すっきりとした印象を与えられます。
前髪や横の髪は、ヘアアレンジや髪の長さに合わせてまとめるのがおすすめです。
特に、ショートヘアではポンパドールや編み込み、ロングヘアではアップスタイルの毛流れに合わせて前髪と横の髪をまとめるのが効果的です。

まとめ

髪型をきれいに仕上げる際は、「トップにボリュームを出す」、「顔周りをすっきりさせる」の2つが大切です。

 

お宮参りのバッグはどうする?選び方のポイント

フォーマルな服装に合わせるバッグは、選び方に迷ってしまうことも多いでしょう。バッグは着こなしを左右する重要なアイテムです。バッグひとつで全体の印象が大きく変わることもあるため、選び方で失敗はしたくないものです。ここでは、ママと祖母、それぞれのバッグ選びのポイントを見ていきましょう。

ママ|フォーマル+マザーズバッグを用意しよう

フォーマルな服装には、フォーマルなバッグがおすすめです。着物の際は、礼装用の金ししゅうの入ったバッグが最適です。訪問着や付け下げを着用する場合は、エナメルの素材でもよいでしょう洋装の場合もフォーマルな印象のバッグを合わせます。サイズは大きすぎないものが品よくまとまるでしょう。

これらのバッグだけでは必要なアイテムが入りきらないこともあります。また、お宮参りでは授与品をいただくこともあるため、もうひとつバッグを用意しておくと便利です。

赤ちゃん用のアイテムは、マザーズバッグに入れて持ち運ぶと楽でしょう。
 

祖母|フォーマルなベーシックカラーのバッグがおすすめ

お宮参りは伝統的な行事です。服装だけでなく、バッグもフォーマルを意識する必要があります。着物、洋装問わずベーシックカラーのバッグはフォーマルな服装と合わせやすく、上品さを演出してくれるのでおすすめです。デザインにこだわれば、華やかな雰囲気にもプラスできるでしょう。

昔は、パパ側の祖母のお宮参りの服装は黒留袖が主流でしたが、近年は色留袖や訪問着などの準礼装を選ぶ方が多くなっています。

黒留袖の場合、合わせるバッグの色は金や銀、白が一般的です。訪問着や付け下げの場合は、光沢感のあるエナメル素材のものや落ち着いた色合いの小ぶりなバッグがおすすめです。

また、ママ側の祖母の衣装は訪問着や付け下げが主流です。こちらも素材や色を着物に合わせ、格式を意識したものを選ぶとよいでしょう。
 

 

和装の便利アイテム

ママや祖母が着物でお参りする際は、以下のようなアイテムがあると便利です。

・洗濯バサミ
裾を上げておけるため、お手洗いが楽になります。

・ハンカチやスカーフ
胸元に覆うと、食事中の食べこぼし対策に。手を洗う際の水ハネ対策もできます。ハンカチやスカーフを胸元に固定するためのクリップがあると◎。

・ばんそうこう
げたズレを防ぐための便利アイテムです。事前に親指の付け根に貼っておくとよいでしょう。

・足袋
替えの足袋があれば、汚してしまったときも安心です。足袋の汚れが心配な方は、足袋カバーを履いておくとよいでしょう。

・ハンカチ
着物を汗で汚してしまわないよう、汗をかいたときは、こまめにハンカチで拭くようにしましょう。

 

【お宮参り】私服でも問題ない?
コーデの選び方や注意点を紹介

では、お宮参りの服装にカジュアルはNGなのかといえば、そういう決まりはありません。
とはいえ、普段着でいいというわけでもないのです。

例えば、カジュアルな結婚式や二次会の招待状には「平服でお越しください」と書かれていることがよくありますが、だからといってTシャツとジーパンで参加する人はほとんどいないですよね。

また、参拝する神社が近所だからといって、コンビニやスーパーに行くような服装でお宮参りをしていては、マナーを知らないママやパパだと思われてしまうかもしれません。

お宮参りは子どもにとって、大切なハレの日です。
それをお祝いしようという気持ちがあれば、いつもより少しでも改まった服装をしよう、参拝する神様を敬う気持ちがあれば礼儀を重んじる服装にしようと思うもの。

この2つを念頭に選んだ服装であれば、カジュアルテイストであっても自然とマナー違反にならない服装になるのではないでしょうか。

 

 

赤ちゃんの服装

和装なら「祝い着(掛け着)」

お宮参りの赤ちゃんの正装は、一ツ身という「祝い着」です。内着に「白羽二重(しろはぶたえ)」を着せて、赤ちゃんを抱っこしている方を包むように「祝い着(掛け着)」を羽織ります。
ただし最近は、しきたりにとらわれず、白羽二重の代わりにベビードレスを着せることもあるようです。

祝い着の種類は、一般的に赤ちゃんの性別によって異なります。

女の子の祝い着

女の子の場合は、「友禅模様(ゆうぜんもよう)」の入った赤やピンクなどの着物が人気です。蝶や毬、花などが鮮やかに描かれた着物は、赤ちゃんをより一層かわいらしい印象にします。

男の子の祝い着

男の子の場合は、黒や紺など濃い色の「熨斗目模様(のしめもよう)」の着物が定番です。邪気や災難から守る兜柄、たくましい成長を願う龍柄など、赤ちゃんが身に付ける着物の柄にはさまざまな願いが込められています。着物の柄に込められた願いと照らし合わせて、掛け着を選ぶのもおすすめです。

祝い着に合わせる小物

頭や首元には、帽子やよだれかけを付けてあげるのが一般的です。また、地域によっては他の小物を付ける場合もあるので、ご家族や親戚に聞いてみると良いでしょう。
祝い着は、古くから赤ちゃんの正装として着用され、見た目も華やかなので、お宮参りの赤ちゃんの服装に最適です。祝い着を着せてあげて記念写真を撮れば、一生の思い出になるでしょう。

 

赤ちゃんに帽子はいらない?

お宮参りに帽子とスタイは必要?

お宮参りでは、赤ちゃんはベビードレスなどの肌着の上から、晴れ着(産着)を掛けて御祈祷を受けます。レンタルショップや呉服店では、晴れ着やベビードレスと一緒に、スタイや帽子などもセットになっていることも多くなっていますよね。帽子やスタイは、赤ちゃんを守るために必要なんです。

 

帽子はなぜ必要?

刺激に弱い肌を守る為

*生後間もない赤ちゃんの肌は非常に敏感で、刺激に対する免疫も弱いため、できるだけ露出は控えた方がよいと言われています。

*特に夏の暑い日差しや、冬の寒気に頭皮が触れてしまうと、紫外線や乾燥などで皮膚トラブルが起こってしまう可能性があります。

このようなあらゆるトラブルのリスクを最小限に抑えるためにも、帽子の着用が推奨されています。

大専門を守る為

赤ちゃんの頭頂部にある大泉門は母親の産道を通るためにやわらかくなっており、生後しばらくは頭頂部が柔らかくペコペコと動きます。

*そのため大泉門に何かがぶつかれば、脳にダイレクトにダメージを受けることになるわけです。

*お宮参りに参加する月齢の赤ちゃんが、頭部を覆わず外出することはあまり好ましくありません。

*このような大泉門への刺激から赤ちゃんを守るためにも、帽子の着用は必要なのです。

帽子も含めて正装

前述を踏まえてお宮参りの正装には、晴れ着だけでなく帽子がセットになっています。
和装(晴れ着)の場合は大黒帽子、洋装(ベビードレス)の場合はフリルのついた洋風の帽子を合わせることで完成となります。
 

スタイはなぜ必要?

よだれを晴れ着につけない為スタイは晴れ着の上から着用させますが、これは晴れ着を赤ちゃんのよだれで汚れないようにする役割があります。せっかくの晴れ着、綺麗な写真を残してあげたいもの。
また晴れ着が汚れると購入した場合はクリーニング費用が必要になり、レンタルの場合でも落ちない汚れは返却時に追加料金を加算されることもあります。そんなことを避けるためにスタイは重要です。
よだれでかぶれないようにする為よだれが長時間肌についたままになることで、痒みを引き起こすことがあります。まだ皮膚がデリケートな赤ちゃんが肌を掻いてしまうと、まだ柔らかい爪であっても傷になることもあります。赤ちゃんにとって比較的長時間の外出となるお宮参りでは、赤ちゃんのよだれが出てもその都度スタイで拭いてあげればかぶれずにすみます。

お宮参りの時は神社で記念撮影をしたり、写真館に行って記念撮影をすることもあります。その時に白くてレースやフリルのついた豪華なスタイは衣装を引き立たせて顔周りを華やかにしてくれます。鶴や松などの縁起の良い模様で刺しゅうされているものもあり、赤ちゃんの誕生を祝う気持ちも込められたスタイをつけて撮影するのも記念になって良いですね。
 

洋装なら「ベビードレス」

お宮参りの赤ちゃんの服装の中でも、最近人気なのが「ベビードレス」です。レースや刺繍が付いた華やかなタイプは「セレモニードレス」と呼ばれることもあります。
ベビードレスは、祝い着と比べると薄手で軽いので、気候に応じて調整しやすいのが特徴です。ふんわりとしたかわいらしい雰囲気が出るのも、人気の理由の一つです。
 

季節別 お宮参りの服装(夏・冬)

夏や冬にお宮参りを行う際は、ここまで紹介した服装選びの基本に加えて、いくつか押さえておきたいポイントがあります。赤ちゃんの体調管理のために夏・冬の服装選びはとても大切です。事前にしっかりと確認しておいてくださいね。

夏の服装のポイント

和装の場合は、赤ちゃんは薄手の内着、大人は単衣(ひとえ)・薄物(うすもの)といった夏用の着物を着用します。

洋装の場合は、露出が多いカジュアルな服は避けた方が良いでしょう。薄手の上着を着用すれば、フォーマル感も出ますし冷房対策にもなるのでおすすめです。
 

冬の服装のポイント

和装の場合は、赤ちゃんは冬用素材のベビードレスやロンパース、大人は着物用のコートや羽織を着用すると良いでしょう。
また、冬用のインナーを着用したり、大判ショールで首元を防寒するのもおすすめです。

洋装の場合は、赤ちゃんには冬用素材のベビードレスや厚手のおくるみ、大人はコートを着用します。
さらに、冬用のタイツやシンプルなマフラーなどを利用すればしっかりと防寒できます。

 

男の子のお宮参りは着物が定番?
着物の選び方や柄の意味を解説

男の子がお宮参りに着る着物の柄と意味

男の子のお宮参りに着用する着物の柄は、勇壮で威厳のあるものが多くみられます。よく使われる柄にはどんな意味があるのでしょうか。それぞれみていきましょう。

「兜」の柄とその意味

大切な頭を守る兜は、邪気や災難から男の子を守ってくれるという意味があります。着物に描かれた兜の豪華な飾りは、権威と高い地位の象徴であり、一家の長として、男の子の成長を願うお守りとしての役目もあります。

「鷹」の柄とその意味

眼光鋭い鷹は男の子の着物の柄として描かれることの多いモチーフです。遠くまで見渡す鷹の目には、本質を見抜く、先を見通す眼力に通じ、鋭い爪は一度つかんだ運や幸運を離さないという意味があります。また、鷹狩りは権威の象徴でもあることから、男の子の出世、大成を願う想いも込められています。

「龍」の柄とその意味

縁起物として知られる龍は、想像上の生き物ですが古来中国ではすべての生き物の祖とされていました。龍を使った柄には、円形をベースにした丸龍、巻龍、角形の角龍、升龍、菱形、そのほか馬蹄形、木瓜枠にあらわされたもの、向き合った二つの龍を配した双龍文など、さまざまなものがあります。また、辰年生まれの男の子に縁起物としても選ばれることも多い柄です。

「虎」の柄とその意味

虎が吠える姿(虎嘯)は出世を意味します。虎のように強く、たくましい子に育って欲しいと願いが込められています。中国では、虎は竹林に棲むと考えられており、竹と一緒に描かれることが多いようです。

「巴太鼓」の柄とその意味

巴(ともえ)とは、沸いた水が渦になって外の方へ回るようなかたちを円形に配した文様です。太鼓の面に描かれることが多く、太鼓の音が「よく鳴る」と物事が「よく成る」をかけて、縁起の良い柄として描かれます。

「宝船」の柄とその意味

米俵や金銀、珊瑚などの宝物を積んだ帆掛け船で、新たな旅立ちや門出を意味しています。たくさんの積み荷は、一生ものに困らないように…との願いが込められています。のちに、七福神を乗せた柄も描かれるようになりました。
 

女の子がお宮参りに着る着物の柄と意味

女の子がお宮参りに着る着物の柄は華やかさと気品あふれる優美な友禅模様(友禅染めに使われるような色彩豊かな美しい模様)が人気です。一般的な着物の柄としても幅広く使われているものも多くあります。

「御所車、花車」の柄とその意味

よくある御所車は皇族や貴族の乗り物だった牛車で「玉の輿に乗れますように」との願いを込めたもの。この御所車に花を飾ったのが花車で、牡丹や菊、桜など四季折々の花々は、多くの人々の祝意を表しています。女の子の美しい成長と人々からの祝福を願う気持ちが込められています。

「毬」の柄とその意味

平安時代に流行した蹴鞠(けまり)が貴族の遊びだったこともあり、美しい毬は高貴さと気品を表します。また、丸い毬には、「何事も丸く収まりますように」「丸々と健やかに成長しますように」という願いが込められています。さらに、毬は子どもが遊ぶものであることから、子どもが寂しくないようにお守り代わりという意味あいもあります。

「鈴」の柄とその意味

お宮参りの着物柄に鈴が描かれているのは、神様に呼びかけて祈りや願いを届けることを意味します。古来、鈴の音には獣や魔物などを追い払い、神や縁起のよいものを引き寄せる力があると信じられてきました。

「熨斗(のし)・束ね熨斗」の柄とその意味

多くの熨斗を束ねた束ね熨斗は、人と人とのご縁や絆に恵まれることを表しています。周囲の人たちからたくさんの祝福を受け、幸せを分かち合って欲しいという願いが込められています。この柄は男女どちらにも使われてきました。

「鼓」の柄とその意味

古典楽器の鼓をモチーフにした文様です。王朝文様といわれる、雅な平安貴族への憧れから描かれた文様のひとつでもあり、典雅な雰囲気があります。音が「よく鳴る」と物事が「よく成る」をかけて、女の子の美しい成長に願いを込めたのでしょう。

「糸巻き」の柄とその意味

糸を巻き付ける器具を意匠化した文様で、糸を繰るのも縫うのも女性の大事な仕事だったことから、女児や女性の着物に多く描かれます。糸巻きから長く伸びる糸の途切れない様子から、長寿や子孫繁栄を意味していると言われます。

 

お宮参りで産着(祝い着)の下に抱っこ紐は必要?
 

抱っこ紐はあったほうが、ママとパパの負担が減ります。

ずっと抱っこしているのはやっぱり可愛い赤ちゃんだとしてもとても疲れます。

そして、お宮参り中ずっと着物(祝い着)を羽織らせている場合、抱っこしながら赤ちゃんの安定を保つ為には抱っこ紐はあったほうが良いです。

必ず抱っこ紐がないといけないわけではなく、両親達に抱っこしてもらうなど頻繁に抱っこする人が変わる場合は準備だけしておくのも良いです。

あと、ベビーカーもあった方が便利です。

ずっと抱っこではなく、ベビーカーがあると赤ちゃんだけで写真を撮りたいときとっても便利です!

会食時も椅子でずっと抱っこしなくてはいけない状況だったなんてこともあるので、赤ちゃんを寝かせて置けるベビーカーはおすすめです。


 

お宮参りで赤ちゃんにケープは必要?選び方や使い道を解説

ケープとは、赤ちゃんの身体に羽織る大きなマントのようなもののことをいいます。防寒着として販売されているものですが、お宮参りの時、赤ちゃんを抱っこする人が洋装の場合に使うこともあるようです。

お宮参りにケープは必須ではありませんが、1枚羽織るだけで晴れの日らしい装いになり、防寒にもなるため、寒い時には赤ちゃんのためにもあると便利なアイテムです。

赤ちゃんはケープの下にセレモニードレスを着ることが多いですが、ドレスではなく白いロンパースなどを着て、写真撮影時のみケープを羽織るだけでも正装らしさを出すことができますね。

春や秋の肌寒い時期にはレースやサテン生地のケープ、冬の寒い時期にはニットケープという様に、用途別に選ぶのも良いですね。

 

お宮参りは産着・祝着(のしめ)なしでも大丈夫?ママパパの疑問を解決

お宮参りの産着の選択には?

お宮参りに産着の選択には、体温調節の苦手な赤ちゃんが快適に過ごせるものを選ぶようにします。

お宮参りは、赤ちゃんにとって、初めての土地の氏神様へのご挨拶の参拝行事です。

赤ちゃんの健全な成長を祈願するお宮参りで、正装のための産着ですので、状況に合わせた選択であれば、産着なしでも問題はありません。

本来のお宮参りの意味から逸脱した産着や両親の服装の選択をした場合には、問題です。

お宮参りの赤ちゃんの正装は、産着です。

お宮参りの赤ちゃんの正装が産着なので、本来は産着なしということは、慣習から外れます。

伝統的には、赤ちゃんの産着として、男の子には定紋を入れた白羽二重で熨斗目文様の紋付の産着、女の子には白羽二重で、綸子地や縮緬に花柄の友禅模様の産着が多く選ばれています。

しかしながら、前述のように、お宮参りの赤ちゃんの産着に明確な決まりはなく、本来のお宮参りの慣習を踏まえたうえでの選択であれば、問題はありません。

赤ちゃんにも、両親にとっても、一生に一回のお宮参りですので、古い慣習ではありますが、親の思いと赤ちゃんの健全な成長を願う気持ちを大切にした神社への参拝や祈祷を滞りなく行うための産着を選んであげることをおすすめします。

最近の気象状況などで、夏場の高温状態などでの参拝の際には、ベビードレスなどの活用をはかることも問題はありません。

お宮参りに産着なしでの参拝は、問題ない?

お宮参りは、赤ちゃんの無事な出産の報告と健全な成長を、土地の氏神様へ初めて祈願に伺うというもので、その際、初めて正装として着る物が、産着とされています。

本来の伝統的なお宮参りの意味を理解したうえで、さまざまな状況に応じて、産着なしを選択したり、別の服装を選択して参拝することに、問題はありません。

できれば、正式な慣習に則ったお宮参りの方法が良いのでしょうが、さまざまな事情がある場合には、両親の判断で、後で悔いを残さないやり方での参拝ができれば良いと思います。

赤ちゃんの産着に関しても、気象条件や体調などを考慮し、祈祷などの時間をなるべく快適に過ごせる工夫が必要です。